Noble Audioは、オーディオロジスト(聴覚学者・聴覚専門医)であるジョン・モールトン博士により設立された、米国のイヤホンブランドです。世界には数多くのイヤホン製造メーカー・ブランドが存在していますが、オーディオロジストを擁するメーカー・ブランドはごくわずかしかありません。Noble Audioは、音響的見地だけでなく、医学的見地からも製品を設計することが可能な数少ないメーカーです。

ジョン・モールトン博士は、卓越したデザイン感覚と音質チューニングにより“Wizard”と呼ばれており、製品づくりには聴覚学者・聴覚専門医の知見が生かされています。同社製品は、国内外の名誉ある賞を数多く獲得するなど、世界のなかでもハイレベルな高級イヤホンメーカーとして高い人気を誇ります。

オーディオロジストとは?

アメリカでオーディオロジー(聴覚学)を修めた専門職をオーディオロジストと呼びます。オーディオロジストとは、難聴の診断・治療・補聴器の調整・リハビリ・難聴の予防を行う医療専門家のことで、大学院の博士課程でオーディオロジーを学び、国家試験に合格する必要があります。

現代のオーディオロジーの歴史的背景は難聴の予防と対策です。特にオーディオロジーが発展しているアメリカにおいては、皮肉にも第二次世界大戦がオーディオロジーを大きく発達させるきっかけとなりました。これは、戦時中に聴覚障害を起こした兵士たちのリハビリテーションが大きな社会的問題となったためです。そのため、帰還兵の難聴の診断・治療・補聴器の調整・リハビリ・難聴の予防が急務となりました。戦後、数多くの帰還兵が治療と訓練を受けることになり、それには言語病理学・耳鼻咽喉科学だけでなく、リハビリテーション技術等の専門家もこれにあたりました。その結果、これらの分野を総合するオーディオロジーが学問として確立され、その専門家であるオーディオロジストが「聴こえ」の総合的な治療にあたることとなったのです。現在、全米の主要な大学院にはオーディオロジストの養成コースが設置されています。

BRAND HISTORY

創立者ジョン・モールトン博士略歴

若くして音響の世界に興味を持っていたジョン・モールトン博士 は、聴覚学の博士号を取得した後、5~7年の実地研修を経て聴覚学の講師となりました。聴覚専門医は難聴の診断・治療・補聴器の調整・リハビリ・難聴の予防を行う専門家ですが、ジョンはこれら全てをこなす一方で、蝸牛インプラントの外科助手としても活躍しました。ジョンの父親もまた聴覚学者であるとともに言語病理学者でもあったことから、ジョンの人生はまさに聴覚科学に彩られたものであったというべきでしょう。そうした環境にあって、ジョン自身が聴覚学において最も関心を寄せたのが補聴器の製造だったのです。

2008年当時、ジョン・モールトン博士はタイの補聴器会社に勤めており、会社のラボで彼が作成したいくつかのカスタム・イン・イヤー・モニターの写真をアメリカ最大のヘッドホン関連コミュニティHead-fiに投稿していました。その造形的な美しさが話題となり、ジョン・モールトン博士に“Wizard”という愛称が定着していきました。

2013年10月にジョン・モールトン博士はイン・イヤー・モニタータイプのイヤホンを専門とするオーディオブランド「Noble Audio」を設立しました。会社設立以来、海外で数多くの名誉ある賞を獲得するなど、世界最高峰のオーディオファン向けイヤホンブランドとして高い人気を誇ります。特に、ジョン・モールトン博士はオーディオロジスト(聴覚学者・聴覚専門医)であることで知られており、専門家の知見を生かした製品づくりがなされています。

現在、Noble Audioが発売する“Wizard” ジョン・モールトン博士が生み出すイン・イヤー・モニターはカスタムとユニバーサルの二つのタイプがあります。ジョンの作成するカスタムタイプは木材などの天然素材を生かしたものが多く、またアーティスティックな仕上げであることでも知られています。ユニバーサルタイプは精密加工によるアルミニウム・ハウジングを採用していますが、こちらも同様に手作業での製造を行い、趣味製品にふさわしい美しい仕上げとなっています。

2018年5月、さらなる経営基盤の確立のため、ジョン・モールトン博士の兄であり弁護士でもあるジムがNoble Audioの50%のオーナーとして新たに参加し、テキサス州ホワイトハウスに新法人Noble HiFi,LLCを設立しました。新しいチームメンバーとなったNoble Audioは、これまで以上のお客様の期待を超える製品を提供するとともに、これまで以上に優れた組織として成長することを目指しています。